待機/Suspend
2008年5月25日 MTG/Coverage コメント (2) というわけで、文章力のなさに定評のある俺が、昨日横浜で行われたGPブエノスアイレストライアルの非公式カバレッジをお送りしたいと思います。一応プレイヤーのお二方と主催者かつヘッドジャッジのナカジマさんには掲載の許可は取ってあります。内容に関する不備などはすべて俺に責任があるので、もしそんなのが見つかった場合にはコメント欄からどうぞ。利便性を考えて文中は敬称略です。
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「GPTブエノスアイレス@横浜 準々決勝 木村卓人 vs 笹原靖史」
GPブエノスアイレスの3BYEを賭けた「熾烈な」争いも、いよいよ佳境に入ってきた。102名というPTの裏で行われているとは思えないような人数の中、スイスドロー7回戦を勝ち抜いてきた上位八名が、シングルエリミネーションで火花を散らす。
そんな準々決勝の4つのゲームの中から、木村卓人と笹原靖史の試合をお送りしたいと思う。デッキはガルガドンヒバリのミラーマッチである。
Game1
ほかの3つのテーブルでは既に試合は始まっているのだが、ここのテーブルは笹原のデッキチェックがまだ済んでいないため、二人とも手持ち無沙汰なまま「待機/Suspend」している。そこへデッキを持った人物が。しかし、どう見てもジャッジではなさそうだ。
「あ、これ笹原さんの遊び(で回していた)デッキです」
忘れ物を届けに来ただけでなんだか肩透かしを食らったような感じだったが、まもなくジャッジが本物のデッキを持ってきてゲームスタート。
ダイスロールで勝った笹原が先手。1ターン目はお互い《鮮烈な小川/Vivid Creek》。2ターン目に笹原は《変わり谷/Mutavault》を、木村は土地を置いて《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》をプレイするが、これは笹原が《ルーンのほつれ/Rune Snag》。笹原は3ターン目は土地を置くだけで動かず、逆に木村は《思案/Ponder》をプレイしてドローを進め、《虹色のレンズ/Prismatic Lens》でマナを伸ばす。
4ターン目に笹原は《入念な考慮/Careful Consideration》をプレイ。このマッチアップではおそらく必要ないであろう2枚の《神の怒り/Wrath of God》を墓地へ送る。返す木村も《入念な考慮》をプレイ、取られたアドバンテージを取り返す。
更に笹原は《熟考漂い/Mulldrifter》をプレイしてアドバンテージを稼ぐが、木村はこれを《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で奪い取る。そして、このマッチのキーとなるであろうデッキのコンセプトカード、《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》を「待機/Suspend」させる。しかし、返す笹原も《誘惑蒔き》をプレイ、《ガルガドン》を待機と、まさしくミラーマッチといったところか。
ここからお互い2枚目の《誘惑蒔き》と《ガルガドン》のサクリファイス能力を駆使したクリーチャーの奪い合いの攻防が続き、最終的に笹原の場に《誘惑蒔き》が1体残るだけとなった。ここで木村は《豪腕のブライオン/Brion Stoutarm》をプレイ。ライフレースではかなり強力な効果を発揮するこのカードだが、笹原は《目覚ましヒバリ/Reveillark》プレイから《一瞬の瞬き/Momentary Blink》をプレイ、墓地から《誘惑蒔き》と《熟考漂い》を呼び戻し、木村は《ブライオン》を泣く泣く《ガルガドン》の餌にせざるを得ない。場に残っていた《誘惑蒔き》がアタックして、このゲームで始めてライフが動く。
4体並んだ飛行クリーチャーの前に、木村は2枚目の《ブライオン》を追加するも、笹原の飛行軍勢はその上から悠々とアタック、木村のライフは初期値の半分を割る。更に《誘惑蒔き》と《熟考漂い》をサクリファイスして、《ヒバリ》に対しての《一瞬の瞬き》フラッシュバック。これはたまらないと木村は《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》で食い止めようとするも、そこに突き刺さる笹原の《否定の契約/Pact of Negation》!またも《ガルガドン》の餌となる《ブライオン》。
なんとか打開策を見つけ出したい木村は《熟考漂い》想起でライブラリを掘り進む。ここで《ヒバリ》を見つけ出して通常プレイ。笹原は《一瞬の瞬き》を《誘惑蒔き》に撃ってコントロールを奪おうとするが、木村は時間カウンターが残り一個となった《ガルガドン》の餌にして、墓地から《誘惑蒔き》を2体釣り上げる。だが、笹原も《ガルガドン》を待機させている。4体のクリーチャーをすべて生け贄に捧げ、こちらも《ヒバリ》で《誘惑蒔き》を2体場に戻す。対象はもちろん木村の2体の《誘惑蒔き》であり、木村はこれを、「時間カウンターを取り除く」効果がスタックに乗ったままの《ガルガドン》の餌にして、笹原の場に飛行クリーチャーが並ぶのを阻止するしかない。
この攻防でお互いの場に《ガルガドン》が登場するが、笹原の場には2体の《誘惑蒔き》が残っており、墓地にはフラッシュバックを待つ《一瞬の瞬き》の姿が。
木村 0-1 笹原
初めにこのマッチは「ガルガドンヒバリのミラーマッチ」と書いたが、色のバランスはかなり違うようで、笹原のデッキは青白にタッチ《ガルガドン》といった構成、対する木村のデッキは赤青タッチ《ヒバリ》のように見えた。後ろでは、既に準々決勝の対戦を終えた有留が、次の対戦相手となるであろうデッキを見るために姿を見せている。
Game2
先手は木村。Game1とは違って最序盤はゆったり目で進み、後手の笹原が3ターン目にプレイした《冷鉄の心臓》が最初の動きとなる。木村は《入念な考慮》をメインフェイズにプレイし、無限コンボのパーツにもなる《影武者/Body Double》を墓地に送る。笹原も《熟考漂い》を想起して手札の充実を図る。
木村も負けじと《熟考漂い》を想起して、《大いなるガルガドン》を「待機/Suspend」させる。笹原が2枚目の《冷徹の心臓》でマナベースの拡張を図れば、木村は《思案》でライブラリを掘り進む。
笹原はここで《熟考漂い》を通常プレイ。《虹色のレンズ》を置いてマナベースを安定させるだけの木村にアタックを仕掛ける。しかし、笹原のターンエンドに木村が《レンズ》のフィルターを通してプレイしたのはなんと《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin》!
だが笹原はこの木村がタップアウトした隙を付いて《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》を通す。パーミッションのミラーマッチでのこの伝説のウィザードが与える影響は計り知れない。マネキンカウンターを置かれて墓地から舞い戻った《影武者》は《熟考漂い》に化けるが、場の根本的な解決には至らない。
自分のメインフェイズにしか動けなくなった木村。《稲妻の斧/Lightning Axe》で《テフェリー》を焼こうと試みるも、これには笹原の《否定の契約》が飛ぶ。続いて《ヒバリ》をプレイするも、《霊魂放逐/Remove Soul》されてしまう。
《熟考漂い》には《影武者》がブロックにまわるが、《テフェリー》によるクロックが木村のライフをじわりじわりと追い詰める。木村は《入念な考慮》をメインで撃って逆転の目を探すが、ここで笹原は木村のターンエンドに《熟考漂い》想起し、墓地に落ちる前に《一瞬の瞬き》を表裏でプレイ。
これで一気に膨れ上がった手札から笹原は《ガルガドン》を「1マナ9/7速攻」としてプレイ。この怪物を押さえ込む術を、木村は持っていなかった。
Final Result:木村 0-2 笹原
笹原靖史 Win!
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以上で準々決勝のカバレッジは終了です。デッキリストについては、ストライクさんのところにしばらくすれば上がると思うので、そちらを参照してください。準決勝のカバレッジは、明日か明後日には載せることが出来ると思います。
しーゆーねくすとたーん。
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「GPTブエノスアイレス@横浜 準々決勝 木村卓人 vs 笹原靖史」
GPブエノスアイレスの3BYEを賭けた「熾烈な」争いも、いよいよ佳境に入ってきた。102名というPTの裏で行われているとは思えないような人数の中、スイスドロー7回戦を勝ち抜いてきた上位八名が、シングルエリミネーションで火花を散らす。
そんな準々決勝の4つのゲームの中から、木村卓人と笹原靖史の試合をお送りしたいと思う。デッキはガルガドンヒバリのミラーマッチである。
Game1
ほかの3つのテーブルでは既に試合は始まっているのだが、ここのテーブルは笹原のデッキチェックがまだ済んでいないため、二人とも手持ち無沙汰なまま「待機/Suspend」している。そこへデッキを持った人物が。しかし、どう見てもジャッジではなさそうだ。
「あ、これ笹原さんの遊び(で回していた)デッキです」
忘れ物を届けに来ただけでなんだか肩透かしを食らったような感じだったが、まもなくジャッジが本物のデッキを持ってきてゲームスタート。
ダイスロールで勝った笹原が先手。1ターン目はお互い《鮮烈な小川/Vivid Creek》。2ターン目に笹原は《変わり谷/Mutavault》を、木村は土地を置いて《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》をプレイするが、これは笹原が《ルーンのほつれ/Rune Snag》。笹原は3ターン目は土地を置くだけで動かず、逆に木村は《思案/Ponder》をプレイしてドローを進め、《虹色のレンズ/Prismatic Lens》でマナを伸ばす。
4ターン目に笹原は《入念な考慮/Careful Consideration》をプレイ。このマッチアップではおそらく必要ないであろう2枚の《神の怒り/Wrath of God》を墓地へ送る。返す木村も《入念な考慮》をプレイ、取られたアドバンテージを取り返す。
更に笹原は《熟考漂い/Mulldrifter》をプレイしてアドバンテージを稼ぐが、木村はこれを《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で奪い取る。そして、このマッチのキーとなるであろうデッキのコンセプトカード、《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》を「待機/Suspend」させる。しかし、返す笹原も《誘惑蒔き》をプレイ、《ガルガドン》を待機と、まさしくミラーマッチといったところか。
ここからお互い2枚目の《誘惑蒔き》と《ガルガドン》のサクリファイス能力を駆使したクリーチャーの奪い合いの攻防が続き、最終的に笹原の場に《誘惑蒔き》が1体残るだけとなった。ここで木村は《豪腕のブライオン/Brion Stoutarm》をプレイ。ライフレースではかなり強力な効果を発揮するこのカードだが、笹原は《目覚ましヒバリ/Reveillark》プレイから《一瞬の瞬き/Momentary Blink》をプレイ、墓地から《誘惑蒔き》と《熟考漂い》を呼び戻し、木村は《ブライオン》を泣く泣く《ガルガドン》の餌にせざるを得ない。場に残っていた《誘惑蒔き》がアタックして、このゲームで始めてライフが動く。
4体並んだ飛行クリーチャーの前に、木村は2枚目の《ブライオン》を追加するも、笹原の飛行軍勢はその上から悠々とアタック、木村のライフは初期値の半分を割る。更に《誘惑蒔き》と《熟考漂い》をサクリファイスして、《ヒバリ》に対しての《一瞬の瞬き》フラッシュバック。これはたまらないと木村は《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》で食い止めようとするも、そこに突き刺さる笹原の《否定の契約/Pact of Negation》!またも《ガルガドン》の餌となる《ブライオン》。
なんとか打開策を見つけ出したい木村は《熟考漂い》想起でライブラリを掘り進む。ここで《ヒバリ》を見つけ出して通常プレイ。笹原は《一瞬の瞬き》を《誘惑蒔き》に撃ってコントロールを奪おうとするが、木村は時間カウンターが残り一個となった《ガルガドン》の餌にして、墓地から《誘惑蒔き》を2体釣り上げる。だが、笹原も《ガルガドン》を待機させている。4体のクリーチャーをすべて生け贄に捧げ、こちらも《ヒバリ》で《誘惑蒔き》を2体場に戻す。対象はもちろん木村の2体の《誘惑蒔き》であり、木村はこれを、「時間カウンターを取り除く」効果がスタックに乗ったままの《ガルガドン》の餌にして、笹原の場に飛行クリーチャーが並ぶのを阻止するしかない。
この攻防でお互いの場に《ガルガドン》が登場するが、笹原の場には2体の《誘惑蒔き》が残っており、墓地にはフラッシュバックを待つ《一瞬の瞬き》の姿が。
木村 0-1 笹原
初めにこのマッチは「ガルガドンヒバリのミラーマッチ」と書いたが、色のバランスはかなり違うようで、笹原のデッキは青白にタッチ《ガルガドン》といった構成、対する木村のデッキは赤青タッチ《ヒバリ》のように見えた。後ろでは、既に準々決勝の対戦を終えた有留が、次の対戦相手となるであろうデッキを見るために姿を見せている。
Game2
先手は木村。Game1とは違って最序盤はゆったり目で進み、後手の笹原が3ターン目にプレイした《冷鉄の心臓》が最初の動きとなる。木村は《入念な考慮》をメインフェイズにプレイし、無限コンボのパーツにもなる《影武者/Body Double》を墓地に送る。笹原も《熟考漂い》を想起して手札の充実を図る。
木村も負けじと《熟考漂い》を想起して、《大いなるガルガドン》を「待機/Suspend」させる。笹原が2枚目の《冷徹の心臓》でマナベースの拡張を図れば、木村は《思案》でライブラリを掘り進む。
笹原はここで《熟考漂い》を通常プレイ。《虹色のレンズ》を置いてマナベースを安定させるだけの木村にアタックを仕掛ける。しかし、笹原のターンエンドに木村が《レンズ》のフィルターを通してプレイしたのはなんと《その場しのぎの人形/Makeshift Mannequin》!
だが笹原はこの木村がタップアウトした隙を付いて《ザルファーの魔道士、テフェリー/Teferi, Mage of Zhalfir》を通す。パーミッションのミラーマッチでのこの伝説のウィザードが与える影響は計り知れない。マネキンカウンターを置かれて墓地から舞い戻った《影武者》は《熟考漂い》に化けるが、場の根本的な解決には至らない。
自分のメインフェイズにしか動けなくなった木村。《稲妻の斧/Lightning Axe》で《テフェリー》を焼こうと試みるも、これには笹原の《否定の契約》が飛ぶ。続いて《ヒバリ》をプレイするも、《霊魂放逐/Remove Soul》されてしまう。
《熟考漂い》には《影武者》がブロックにまわるが、《テフェリー》によるクロックが木村のライフをじわりじわりと追い詰める。木村は《入念な考慮》をメインで撃って逆転の目を探すが、ここで笹原は木村のターンエンドに《熟考漂い》想起し、墓地に落ちる前に《一瞬の瞬き》を表裏でプレイ。
これで一気に膨れ上がった手札から笹原は《ガルガドン》を「1マナ9/7速攻」としてプレイ。この怪物を押さえ込む術を、木村は持っていなかった。
Final Result:木村 0-2 笹原
笹原靖史 Win!
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以上で準々決勝のカバレッジは終了です。デッキリストについては、ストライクさんのところにしばらくすれば上がると思うので、そちらを参照してください。準決勝のカバレッジは、明日か明後日には載せることが出来ると思います。
しーゆーねくすとたーん。
コメント
参考になります。
ありがとうございます。そう言って貰えると嬉しいです。