先日のPWC最終ラウンド(先日のPWCは全6ラウンドです)の1番卓のカバレッジが書きあがりました。いつものごとく文中は敬称略です。何か問題などがありましたら、コメント欄からお願いします。

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「PWC -205th-@東神奈川 Round6 相澤恵司 vs 大根田祥宏」

 Magic 2010。

 新たな基本セットとして生まれ変わったこのエキスパンションがスタンダード環境に加わって、早半月。日本選手権をはじめとする各国の選手権も終わり、さまざまなアーキタイプも確立されてきた。

 そんな中、比較的新しく出てきたデッキが、本日「スタンダードの貴族」相沢恵司が操る、除去に《稲妻/Lightning Bolt》を採用した、青赤タッチ黒の『ライトニング・フェアリー』だ。「鹿は仕方ない」とまで言われた《大貂皮鹿/Great Sable Stag》をわずか1マナで対処でき、サイドボードからは《炎渦竜巻/Firespout》を加えることでビートダウンに対する耐性もつけることができるなど、従来の純正二色よりも幅広い戦略をとることができる。前日のPWCで優勝した仙波恒太郎と共に鍛えられてきた名刀だ。

 対する大根田祥宏が操るのは、ここまでのスタンダードではあまり見かけないデッキの『《羽軸トゲ/Quillspike》シュート』だ。イーブンタイド発売当初は話題になった《羽軸トゲ/Quillspike》+《献身のドルイド/Devoted Druid》コンボだが、ほとんど日の目を見ないまま、スタンダード落ち寸前まで来てしまったが、大根田は黒緑の優秀な頑強クリーチャー二種類と《吸血鬼の貴族/Vampire Aristocrat》を組み合わせ、《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》や《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》によるビートダウンを主軸に置きつつ、コンボも狙えるデッキとして仕上げてきた。

 全勝対決となった1番テーブル、果たして勝利を収めて全勝優勝を果たすのはどちらか。貴族お気に入りのダイスで相澤が先手を獲得してゲームスタート。

Game1

 相澤がフィルター土地と《変わり谷/Mutavault》だけのハンドをマリガン。6枚になったハンドには十分な色マナがあったようでこれをキープ。大根田は十分なコンボパーツが与えられた7枚をキープする。

 まずは相澤がフェアリーの必勝パターンである「2ターン目《苦花/Bitterblossom》」を咲かせる。対する大根田も《献身のドルイド/Devoted Druid》という絶好のスタート。このドルイドに不穏な気配を感じた相澤は自身のメインフェイズに《稲妻/Lightning Bolt》でこれを撃ち落とす。

 ここで土地の止まってしまった大根田。《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》を戦場に送る。このヒルのアタックを相澤はフェアリートークンで受け止め、ダメージ前に《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》でトークンを覇権。擬似的に1ターンを稼ぎ出す。

 《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》のアタックが1度通り、大根田のライフは14。そのライフをすり減らして《思考囲い/Thoughtseize》をキャスト。スタックで《稲妻/Lightning Bolt》を本体に撃たせた上で相澤のハンドがすべて土地であることを確認して、《叫び大口/Shriekmaw》を想起して《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を除去。相澤の《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》も《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》で射殺して、なんとか盤面を掌握されるのを防いでゆく。

 しかし、毎ターン増え続ける妖精への根本的な対処法がない以上、それは延命措置にすらならないのだった。

相澤 1-0 大根田

 「サイドボードよーわからん!」と頭を捻りながら唸る相澤。《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》と《ウーナの末裔/Scion of Oona》をサイドアウトし、《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》と《荒廃稲妻/Blightning》をサイドインする。

Game2

 またもマリガンに悩まされる相澤。1マリガン後の手札にも土地は《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》1枚しかないが、《稲妻/Lightning Bolt》《砕けた野望/Broken Ambitions》とあるので、土地1枚引けば序盤は耐えられると踏んでキープする。

 7枚のハンドをキープすることのできた大根田は再びの《献身のドルイド/Devoted Druid》スタート。相澤は2ターン目には何とか《鮮烈な小川/Vivid Creek》を引き込むことに成功し、《稲妻/Lightning Bolt》でドルイドを除去。

 大根田はフェアリー対策である《掻き集める梢/Raking Canopy》をキャストする。これで相澤は殴れなくなったわけだが、土地が詰まっていて、殴る以前の問題を解決することが手いっぱい。《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と連打されるも、ようやく揃えた4枚の土地から《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》をエンドに空出しすることしかできない。

 この2体の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》がレッドゾーンに送られたところで相澤は《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》。《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》を覇権し、《台所の嫌がらせ屋》を打ち取る。

 さらに続けて2体でのアタックが継続され、相澤のライフは10を切る。大根田は《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》を戦場に送ろうとするが、これを相澤は《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンターし、《掻き集める梢/Raking Canopy》をバウンスする。

 盤面がある程度処理できたところで相澤は攻めに転じるべく《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》のコントロールを奪うのだが、これは《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》に即座に除去されてしまう。

 そして大根田が勝負のターン。まずは《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》の二号機をキャスト。これは《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》で打ち消される。戦闘フェイズに入り、《朽ちゆくヒル》と《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》が突っ込んでくる。相澤は《ヒル》をスルーして《レッドキャップ》を《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》でブロック。もちろん《ヒル》はパンプアップされ、相澤の残りライフは5となる。

 ここで《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》が頑強で場に戻ってくるのだが、大根田はその1点のダメージをプレイヤーに。《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》という絶好の的がいるのになぜ?と疑問に思う暇もなく大根田が唱えた呪文は《消耗の儀式/Rite of Consumption》!

 これが通れば現在パワーが4の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》の魂を犠牲に勝利が確定するわけなのだが……、相澤はこれをしっかりと《砕けた野望/Broken Ambitions》で打ち消す。これで大根田の盤面はほぼまっさらに。

 相澤は返すドローで5枚目の土地を引き当て、《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》で《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》を釣り上げ、ライフを回復。このアタックは1/1になっている《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》でチャンプブロックされるも、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》のアタックは通り続けているため、一気に相澤のペースとなる。

 大根田は6マナから《掻き集める梢/Raking Canopy》を2枚並べて、飛行クリーチャーでのアタックを完全にシャットアウト。残りライフは6ながらもこれで盤面は盤石かと思われたが、相澤はまず《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》で《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》を覇権。さらに次のターンには3枚目の《霧縛りの徒党》で2体目の《霧縛りの徒党》を覇権、帰ってきた《くぐつ師の徒党》で大根田の墓地の《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》を釣り上げて、地上からダメージを刻む。

 大根田の最後の望みの《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》も《謎めいた命令/Cryptic Command》カウンター+《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》バウンスで捌くと、再び覇権ギミックを経由しての《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》で打ち消したばかりの《カメレオンの巨像》を釣り上げて、最後に残った僅かのライフを一気に削りきってみせた。

Final Result:相澤 2-0 大根田

 《くぐつ師の徒党/Puppeteer Clique》で《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》を釣った際、2点のダメージを本体ではなく《くぐつ師の徒党》に与えていれば、頑強で《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》も同時に釣ることができたのでそのターンで勝っていたというギャラリーからの指摘を受け、「確かにその通りだった。どうやっても2点足りないと思っていたけど、それなら相手に最後の余分なターンを与えることもなかった。そういうプレイングも出来た、じゃなくて明らかなミスプレイだ」と振り返り、ミスから何かを学びとろうとする相澤。この勝利への飽くなき探求心こそが、「AKKA謹製」という名の銘刀となってゆくのだろう。

相澤恵司 Win!

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 以上です。ご協力してくださったプレイヤーのお二人、いつもいつも迷惑をかけてしまっている主催者の中嶋さん、本当にありがとうございました。

 しーゆーねくすとたーん。

コメント

AKKA
2009年8月10日22:03

2戦目は僕の記憶が確かなら「稲妻&ブロークン」でキープなはずだけど。ランドは確かに1枚でしたw

京河
2009年8月10日22:15

>>AKKAさん
今確認したら確かに《砕けた野望/Broken Ambitions》でしたw修正しておきます。

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